オフィスが手狭になったので、新しいオフィスに引っ越すということになった場合、会社の引越しということもありますので、コストを抑えられるのであれば、引越しの費用についても安くしたいというのが、経営者や総務担当者の考えだと思います。

ただ、引越し料金が安いというだけでは、何かしらトラブルが発生する可能性がありますし、オフィスの引越しというのは、一般家庭の引越しと比べるとかなり複雑になりますので、その点ある程度料金がかかるというのは仕方がないことです。そこで、まず引越し業者を選ぶ場合に注意したい点はどのようなものがあるのかということをご説明します。

引っ越し業者選びは慎重に

まず、最初にするべきことは業者選びですが、こちらは一般家庭の引越しと同じように1社に限定しないようにしましょう。つまり、数社に声を掛けてみて、その中から信頼できる業者を選ぶということがオフィスの引越しのポイントです。その場合、会社に近い引越し業者を選ぶほか、インターネットでは口コミがとても発展していますので、口コミは必ずチェックするようにしましょう。特にオフィスの引越しには多くの社員に影響することですので、会社の総務担当の人はそのあたりは手を抜かないようにしっかりチェックすることが必要です。

オフィスの引越を把握しよう

次に、選んだ引越し業者を選択する段階に入ります。ここで総務担当の人が知っておきたい、オフィスの引越時実務についてご説明します。オフィスの引越は一般家庭の引越しと同じように思っていると後で大失敗しますので、まずはどのような作業があるのかということを把握しましょう。

  • オフィスのレイアウトプラン策定
  • 新オフィスの内装工事
  • 新オフィスの電気・ネットワーク工事
  • 什器、OA機器の新規購入
  • 移転作業
  • 不用品の引き取り
  • 旧オフィスの原状回復工事
  • 移転に伴う各種諸届け
  • 移転に伴う告知、印刷物作成

などがあります。
つまり、オフィスの引越というのは、荷物を移動させるだけではなく、引っ越しした先の受け入れ体制をほぼ完全に整えるという事が必要になります。そうしますと、これらの作業をする上では多くの人が作業に携わることになりますので、やはりある程度の費用がかかってしまうというのは、これらの項目を見てもわかります。そこで、複数の引越し業者に声を掛ける場合に、これらの項目についてどのように見積もりを出してくるのかということも引越し業者のチェックポイントです。
このようにオフィスの引越しをする場合には、荷物を移動させる以外の作業がたくさんあり、それらの作業をオールインワンで対応してくれる引越し業は多々あります。ここでのチェックポイントは、丁寧に見積もりを記載しているかどうかということです。例えば上記でご案内した作業項目がある場合には、それぞれいくら掛かるのかという事がわかりますよね。そうすると、引越しを依頼する方としては、こちらは自分たちで出来るとか、業者に依頼したほうが効率的である場合もあるというような検討の余地があります。ところが、引越し業者によっては見積もりの費用をオフィス引越し一式でまとめて算出する引越し業者もいます。これだけ多岐にわたっている作業を一括り出来るわけがありませんので、そういうシンプルな見積もりを提出してくる業者はお願いしにくいところです。

提案力のある引越し業者を選ぼう

また、提案力のある引越し業者は、これらの作業をした場合にどのようなレイアウトにしたら良いかとか、コストを抑えるオフィスの使い方などを提案してくれます。そういう業者は一概に引越し費用自体は安くありませんけれども、引越し後はほぼすぐに作業が出来るような状況に対応してくれることが多く、会社側にとって極めて効率的な状況になります。

したがって、引越し費用の安さをアピールする業者は多いですし、コスト観念はとても重要ですけれども、まずは、引っ越しした後にスムーズに仕事環境が整えられるのが、結果的にコストを圧縮してくれますので、その点をしっかりチェックするようにしましょう。